2006/10/29

京都へ(1日目/五條楽園)



見てください、このカフェー街調のタイルやステンドグラスや丸窓の建物を。
昔からこの辺一帯は、遊郭であり、そして今も・・・

五條楽園とは、古いお茶屋の形式(お茶屋に入り、そこから置屋にいる芸妓さんを呼んでもらい、お茶屋であれやこれや。。。という感じ)そのまま残している、つまり現存する遊郭なわけで、五條のこのあたりは「楽園地帯」ということだそう。ふむ。

なるほど歩いてみれば「お茶屋」の小さな標識がかかった建物がここにもそこにも。あたりは無気味なほど静まり返っていて、店先には暖簾がかかり、ちらと覗くとうわさ通り、玄関にゆらゆらと美しい金魚が水槽の中を泳いでいます。(この辺りでは、目立たない「お茶屋」の看板と金魚の水槽だけを表に置いてあるのが「営業中」の印)

あまりにもしんとした佇まいの陰から漂ってくる秘め事の気配、扉の向こうから立ちのぼってくるなまめかしさ。
二人ほど、着物姿の女性を見かけました。
お客のもとへ向かっているのか、いそいそと歩く彼女たちの姿はすぐに路地裏に消えてしまいます。

丸窓のステンドグラス、タイルで装飾された建物、まるで時が止まったような、あるいは夢の中を彷徨い歩いているような錯覚に陥り、刻々と迫る夕闇の中、フラフラと細く曲りくねった路地を歩きました。すると、突然視界が開けるように、鴨川が目の前に現れます。
非現実の世界から抜け出てきたような不思議な感覚でいっぱい・・・